入門の手引き 第 8 章 前の章 次の章

8. ツールの操作方法

MANDALA.net の基本的な操作方法については、 ここまで実例をとおして説明してきました。 ここには、MANDALA.net 入門コースを一通り終えた方を対象にして、基本操作の範囲を越える事項も含めて説明してあります。

本書は MANDALA.net操作手引書の役割も兼ねており、この章には、入門者のための操作に関する説明を超える事項も含まれています。 ですから、最初は分からない事項があっても深く追求せずに、ざっと目を通す程度にするのがよいでしょう。

◇ 総括表の中のボタン

MANDALA.net のツールバーには、次のように六つのボタンがあります。

左からそれぞれ 「プロジェクトの選択」、「画面オプション」、「フォーカス移動順序」、「各画面のファンクションキー」、「ビジネスロジック部品生成」、「コード合成」 というボタンです。これらのボタンの意味については、これ以降の説明をご参照ください。

MANDALA.net の総括表ボディ部の見出し部分には、次のように 「H」 および 「」 というボタンがあります。

ボディ部見出しのボタン部分

H」 というボタンをクリックすると、フォーカスで指された項目に関するフックメソッドの一覧を示します。 「」 というボタンをクリックすると、フォーカスで指された項目に型としてインプットできる候補の一覧が現れます。

◇ 総括表の中のメニュー

MANDALA.net の総括表は、次の 5 個のメニュータイトル があります。 すなわち、ファイル(F)、編集(E)、操作(O)、ツール(T)、ヘルプ(H) の 5 個です。このどれか一つをクリックすると、そのメニューが開かれて、 第二階層のメニュー項目が縦に並んで登場します。そこで、メニュー項目の一つをクリックすることによって、 MANDALA.net に指示を与えることができます。

以下に MANDALA.net の総括表の 5 個のメニュータイトル の中の各メニュー項目を図示します。

ファイル(F) メニューの項目
ファイルメニューの項目

編集(E) メニューの項目<
編集メニューの項目

操作(O) メニューの項目
操作メニューの項目

ツール(T) メニューの項目
ツールメニューの項目

ヘルプ(H) というメニュータイトルの中の各メニュー項目
ヘルプメニューの項目

◇ プロジェクトの選択 

MANDALA.net コード合成ツールを起動すると、 まずプロジェクトを選択するためのダイアログボックスが表示されます (下図)。

この他に、ツールバーのボタンプロジェクトの選択をクリックすると、このダイアログボックスを表示させることができます。起動時に誤って目的以外のプロジェクトを開いてしまった場合や、作業の途中で別のプロジェクトに関する解析・生成の処理をしたくなった場合などに使用することができます。

◇ 画面オプション 

MANDALA.net のコード合成ツールが解析処理を終えた時点に、 画面オプションというダイアログボックスによって、各画面にかかわる設定およびプロジェクトごとの設定をすることができます。
 一つのプロジェクトに複数の MANDALA フォームを含めてある場合は、それぞれのフォームの解析処理が終わった時点で、そのフォームに関する画面オプションを設定することができます。 なお、プロジェクトごとの設定は、最初に解析したフォームに関する画面オプションの中で行います。

ダイアログボックス画面オプションを登場させる指示は、MANDALA.net操作(O) というメニュータイトルの中の 画面オプション(P)... という項目のクリック、またはツールバーの中のボタン画面オプション (下図) のクリックによって行います。

画面オプションボタン

なお、ダイアログボックス画面オプションで指定した内容は、コード合成の指示を与えないと、サマリ情報 (smr) を格納したファイルに保存されません。

画面オプションの設定内容

画面オプションでは、次図に示す項目について設定を行うことができます。
なお、チェックボックスの見出しが太文字の項目は、デフォルトではないことを意味します。
 そして、見出しが紫色の項目は、チューニングのために最適化の指定をしていることを意味します。
 また、もしも指定が赤字で表示された場合には、指定内容を見直すことをお勧めいたします。

画面オプション

それぞれの設定の意味は、以下のとおりです。

タイトル
タイトル 当画面のタイトルバーに表示する文字列を指定します。

プロジェクトオプションは、このウィンドウでは変更できません。 プロジェクトオプションを編集するためには、ボタンプロジェクトオプション設定/変更をクリックしてください。 下図のウィンドウが表示され、変更可能になります。

プロジェクトオプション

プロジェクトオプション
固有仕様 ID 特定のお客様向けにカスタマイズされた仕様を用いる場合に、その識別子を指定します。
フォーマッタ ローカル・セントラル間の通信情報のフォーマッタの指定です。
模擬的遅延時間 ローカル・セントラル間の通信時に模擬的に付加する遅延時間です (DEBUG モードでのみ有効)。
Central プロジェクト セントラル用のプロジェクトファイルの指定です。
CentralMain プロ … セントラルメイン (CentralMain) 用のプロジェクトファイルの指定です。
ca 格納プロジェクト ca (Coherent Area) に関するローカル・セントラル間のデータ転送量を最少化します。
セントラル側主導機能 セントラル側からローカル側に働きかける機能を使えるようにします。
ca 転送量最少化 解析・生成処理に関するドキュメントを作成します。
移行用補助生成抑止 移行用補助生成をしないようにします。

以下、画面オプションの説明に戻ります。

コントロール
項目の高さ 当画面の中のコントロールの高さをこの値にそろえます。
フォント 当画面の中のコントロールのフォントをここで指定したものにそろえます。
文字サイズ 当画面の中のコントロールのフォントのサイズをここで指定したものにそろえます。
表示
ブライト処理 フォーカスがどのコントロールにあるのかが一目で分かるように、そのコントロールの背景色をブライト状態にします。
左詰項目は全反転 左詰項目にフォーカスが移ったときに、その項目を全反転状態にします。
右詰項目のカーソル右端 左詰項目にフォーカスが移ったときに、カーソルをその項目を右端に位置づけます。
アプリフレーム
Label の個別色指定 Label コントロールに関しても個別色指定を有効にします。
ヘッド部初期化抑止 Current, First, Last, Next, Prev の各フックメソッドを呼び出す前に行われる項目の初期化処理の中で、ヘッド部の項目に関する初期化だけは抑止します。
強制表示モード移行 First, NextCm, Prev, Last 指示がなされたときに、強制的に表示モードに移行させます。
強制終了チェック 強制終了させられたときに確認の問い合わせをします。
空の明細行の段上げ Execute 指示がなされたときに、空の明細行があれば、上に詰めてから処理します。
単一スクロール制御 ボディ部用のスクロールバーと拡張ボディ部用のスクロールバーを同じものにして、そのスクロールバーによって、両者を一括してスクロールします。
項目ボタンの Enabled 項目に関するボタン (Cm_SList, Cm_Help, Cm_RelInf, Cm_Master) の Enabled 制御を行います。
画面ボタンの Enabled 画面に関するボタンの Enabled 制御を行います。
表示モードでの Enter 表示モードでの Enter キーの押下を NextCm 指示とみなします。
Delete 後にも Term フックメソッド Delete の後にも Term を動作させます。
利用者定義 GE 前処理 特定のお客様向けに限定してサポートした仕様です。
改頁 (FNPL) 前処理 特定のお客様向けに限定してサポートした仕様です。
ヘッド部入力 Execute ヘッド部のインプット完結を Execute 指示とします。
開始閉鎖許諾チェック この指定は廃止されました。この代わりに、終了処理にはメソッド EmergencyExit を用いてください。
チューニング
InitVal の最適化 ボディ部および拡張ボディ部の初期化の処理を少なくするための最適化をします。しかし副作用が生じる可能性があります。
転送回数最少化 セントラル側での処理を続けて行うことで、ローカル・セントラル間のデータ転送回数を最少化します。しかし副作用が生じる可能性があります。
Coherent 制御簡略化 項目に関する拡張プロパティ情報のうち、まれにしか変更されないものについては Coherent 制御を行わないことでデータ転送量を少なくします。
Coherent 回数最少化 Coherent 制御の回数を最少化することでデータ転送回数を少なくします。ただし、 フックメソッド InitValLC 関係に注意事項が生じます。
明細行操作時の最適化 明細行に関する操作を行った際にかかる時間を少なくします。
インタフェース
バーチャル項目の利用 バーチャル項目を利用可能にします。
初期値派生 フックメソッド InitVal の後にも派生処理を実施します。
初期値を Tag で指定 フックメソッド InitVal の代わりに初期値をコントロールのプロパティ Tag で指定できます。
必須入力前処理 必須入力項目に空白がインプットされたときに、Check 系フックメソッドを呼び出さずにインプットエラーとします。
再計算 RelCheck 再計算処理 (Recalc) の際にもフックメソッド RelCheck を動作させます。
Derived 後 RelCheck フックメソッド Derived の後にもフックメソッド RelCheck を動作させます。
パラメタに Trim 処理 フックメソッドのパラメタの値は Trim 処理がなされたものになります。
スキップ反射 Skip フックメソッドによって画面の先頭項目または最終項目に達した場合にフォーカス移動の向きを反転します。
項目初期化復元エラー 特定のお客様向けに限定してサポートした仕様です。
ゼロ数値は未入力扱い 数値欄にゼロがインプットされた場合に未入力扱いにします。
個別 FormBase 公開 個別 FormBase (FormBase のサブクラスとして生成されるクラス) を Public とします。
操作性
Tab キー処理 Tab キー および Shift + Tab キー をそれぞれ右矢印キー、左矢印キーと同様の扱いにします。
Tab キーは Enter Tab キーを Enter キーと同様の扱いにします。
ヘッド部先行入力 ヘッド部のインプットが完結していないと、ヘッド部以外の項目のインプットができません。
カーソル移動時のスクロール ボディ部または拡張ボディ部の中でのカーソル移動に追従してスクロールします。
型式 2 のスクロール操作 表示モードの場合、 明細行数を調整することによって、スクロール操作で空白明細が現れないようにします。
オーバラップ Scroll 最下段の明細行が最上段に移動するような重なりをもつスクロールをさせます。
その他
Bd/Ed は Tl より上 ボディ部および拡張ボディ部の 2 行目以降の明細行についてはテール部より下に生成しないようにします。
I/R 処理中 invokeL… I/R 処理中 (初期値派生処理中または Recalc モード) においても invokeLocal 機能を利用可能にする (転送回数が増えるのでオフにするのが推奨)。
I/R 処理中 invokeC… I/R 処理中 (初期値派生処理中または Recalc モード) においても invokeCentral 機能を利用可能にする (転送回数が増えるのでオフにするのが推奨)。
マルチ言語対応生成 特定のお客様向けに限定してサポートした仕様です。

◇ フォーカス移動順序 

MANDALA.net で開発したアプリケーションでは、実行時における各入力項目へのフォーカスの移動は、総括表に並んでいる順序になります。 この順序は、最初は MANDALA.net コード合成ツールがフォーム内の各項目の位置関係を解析して適当に決めます。この順序を入れ換える必要性が生じた場合には、ツールバーのボタンフォーカス移動順序をクリックして設定ダイアログを呼び出してください (下図)。

ダイアログボックス下部の案内に従い、矢印キーを押下するか、またはボタンをクリックして項目の順序を自由に編集することができます。 編集後、内容を反映するならボタン変更確定をクリックしますし、破棄して元の状態にするならボタンキャンセルをクリックします。

◇ 各画面のファンクションキー 

アプリのもつある機能 (たとえば目次情報の表示という機能) の指示を与える操作には、 ボタンメニューファンクションキーの三つが最もよく使われます。また、これら三つのうちの (一つではなく) いくつかによって同じ機能の指示ができるようにする場合もあります。 たとえば、あるボタンでもあるファンクションキーでも同じ指示 (たとえば目次情報の表示の指示) ができるようにするなどという具合です。

これを踏まえると、ボタン、メニュー項目、ファンクションキーによる機能を指示する操作方法の組み合わせには、次の七つがあるといえます。

一般的に、ファンクションキーとある機能とを結び付けるには、つまりファンクションキーに対応する機能の指定は、 メニューの設計の際に行うのが基本です。 つまり、メニュー対応させたい機能を Shortcut プロパティとして指定することでファンクションキーに対応させることができます。

ところが、次の二つの場合には、メニューと無関係なので、 ファンクションキーに対応する機能の指定をメニュー設計の際に行うことができません。

そこで、この二つの場合にもファンクションキーの対応機能を指定できるように、 MANDALA.net には前者向けにファンクションキー押下の イベントを表す予約語 (F1Down, F2Down, ... , F12Down) および後者向けに各画面のファンクションキーという機能があります。なお、ファンクションキー押下のイベントを表す予約語については、 マニュアル 「MANDALA.net 基本仕様」 の指示コントロールの命名規約の説明を参照してください。

ここには、ボタンでもファンクションキーでも指示できるようにするための設定方法が説明してあります。

この各画面のファンクションキーの指示は、MANDALA.netツール(T) というメニュータイトルの中の各画面のファンクションキー(F)... という項目のクリックによって行います。この指示を与えると、次の各画面のファンクションキーというダイアログボックスが 表示されます。

各画面のファンクションキー

ファンクションキー F1 から F12 までのそれぞれの右欄に ボタンのコントロール略称を指定することで、その機能と対応づけることができます。 コントロール略称は、右のリストボックスから選んでクリックするか、キーボードからインプットしてください。

◇ ビジネスロジック部品生成

このボタンをクリックすることによって、ビジネスロジック部品生成ツールを開くことができます。

なお、ビジネスロジック部品生成ツールについては、マニュアル 「MANDALA.net コードアシスト」 をご覧ください。

ちなみに、コードアシストには、データベースにアクセスするプログラムコードをあらかじめ生成しておくツールアプリフレーム生成も含まれています。

◇ 各種設定情報の保存に関するご注意

これらの設定ダイアログボックスで指定した内容は、コード合成の指示を与えないと、 サマリ情報 (smr) を格納してあるファイルに保存されません。設定内容を保存したい場合は、必ずコード合成の指示を与えるようにしてください。


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