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7. 効用と便利な機能

◇ MANDALA.net の効用

VB や C# のローレベルのイベントに比べて、 MANDALA.netフックメソッドは業務プログラムを作りやすい体系になっています。

そもそも VB や C# のイベントは、ハードウェアの動作と関係が深いものですから、 これらがどんなタイミングで発生するのかを熟知することが必要ですし、 単純なことを行うにもいくつかの原始的な (primitive) イベントをうまく組み合わせることが必要です。

これに対して、MANDALA.net のフックメソッドは、むしろ業務仕様と深い関係をもっており、その役割が明確です。 そして、その役割にそってフックメソッドを作成すればよいように設計されています。 つまり、そのフックメソッドが働くべきタイミングでフックメソッドが都合よく発生して、 そのメソッドがその役割を果たせるように呼び出される仕掛けができています。

業務プログラムに必要な操作を実現するための制御用プログラムコードは MANDALA.net 実動フレームワークが代行しますから、 このフレームワークを使用しない場合にくらべて、 新たに作成しなければならないプログラムコードの量が大幅に削減されます。 業務仕様が単純なアプリでは 1 割ほどの量で済む場合もあります。

さらに、項目部品は再利用性が高いので他の画面でも共通に用いることもできます。 また、他の開発プロジェクトでも再利用できます。したがって、 部品が蓄積すればするほどほどアプリ開発のスピードが加速されていきます。

観点を変えると、MANDALA.net を用いるとカスタマイズメンテナンスの作業が軽減されるということができます。

「単価の算出方法を・・・・・に変更する」 というように仕様変更要求は項目名で語られるものです。 ですから、MANDALA.net のような項目フックメソッドシステムは、 どこを変更すべきかということを一目瞭然・明快至極に指し示すことになります。

たとえば、単価を変更したいのなら、変更箇所の検索というような大袈裟な手続きを経ずに、「単価」 という名前からダイレクトに単価部品を見つけ出すことができます。 なぜなら、単価に関するフッククラスの名前は、単価にするか単価で始まる名前にすることにしているからです。 しかも、ある項目に関係するプログラムはその項目部品に集約されますから、自ずから変更箇所が局所化されることになります。

なお、これらの長所は、MANDALA.net コード合成ツールが項目間の関係を分析して、適切な合成処理をすることによって得られる効果だということができます。

MANDALA.net は、ビジネス分野の第四世代言語に使われていたフレームワークを拡張したものだといえます。 特に、項目指向の考え方を徹底しているところに特徴があり、項目部品としての望ましい性質を備えるように分割し制御しています。

◇ MANDALA.net バッチ

共通フッククラス内のフックメソッドやフッククラスの親クラスなどを変更した場合に、すでに作成済のプロジェクトに対して MANDALA.net コード合成ツールによる再生成や VS2008 による exe ファイルの再作成が大量に必要になることがあります。 これを手操作で行うのは、生産性がよくありません。 こんなときには、MANDALA.net バッチを活用してください。

また、レベルアップした MANDALA.net を使い始めるときにも、MANDALA.net コード合成ツールによる大量の再生成が必要になります。 このときにも MANDALA.net バッチを活用して一括処理してください。

MANDALA.net バッチは、MANDALA.net コード合成ツールによる機械生成や VS2008 による exe ファイルの作成を手操作により一々指示しなくても、あらかじめ指定されたバッチファイルの内容に従って次から次へと一括して処理します。

なお、MANDALA.net バッチの使用方法に関しては、マニュアル 「MANDALA.net 基本仕様」 のバッチの説明を参照してください。


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